こんにちは!太宰府魅力発見塾塾長の福田です。

宝満山のヒキガエル

・2020.10.14太宰府市民遺産に第16号認定

・市民遺産育成団体:宝満山ヒキガエルを守る会(道中の標識を作成などの保護活動)

・ヒキガエルの寿命は長くて10年ほど

 

子ガエルの登山行程図

二つの赤マーカーが上と下の野々道池

ここでふ化し、宝満山山頂目指して登頂

 

観察記録

宝満山は標高829m

2018.5.13出発~6.27山頂

2019.5.19出発~確認できず

2020.5.4出発~6.30山頂

2021.5.8出発~7.2山頂

2022.5.13出発~確認できず

22023.5.14出発~7.5山頂

2024年5.27出発

 待望の雨が降り、100匹以上の子ガエルが 登山道の2.5kmポスト(下の池下流側)から2.3kmポスト(上の池入口)の間を登っていました。

2024.5.10太宰府市の情報では「早い子ガエルは池から上がっているようですが、晴天続きでまだ登り始めてはいないそうです。大部分はまだオタマジャクシの状況との事です」。 

「宝満山ヒキガエルを守る会」によると、2023年は例年よりオタマジャクシが少なくなっていたけど、今年はさらに少なくなっているそうです。

 

幟 PROTECT TORD(カエルを守ろう)(山麓の渡辺利久男氏邸)

 

宝満山登山口

 

宝満山登山口の汐井川(修験者がみそぎを行ったところ)

 

野々道池(上と下に二つある)

宝満山中に生息するヒキガエルは2月頃冬眠を一時中断して、野々道池に降りて産卵を行い、10万個以上ともいわれる数の卵を産みまた帰って冬眠します。

水辺の黒い帯状はオタマジャクシ。

 

卵は数週間でふ化し、池は無数のオタマジャクシで溢れます。

 

2023年は5月18日に上陸

3月にふ化したオタマジャクシは池で成長し、1ヶ月半~2ヶ月で子ガエルへと変態します。約1~10万の変態した子ガエルたちは池から上陸し、続々と最大標高差600m(標高829m)、道程約2.5kmの山頂目指して約1か月かけて登頂します。

黒い斑点が子ガエル

 

「ヒキガエルの子ガエルが上と下のため池から上陸して、宝満山の頂を目指して登山道を登っています」

 

 

以下3枚の写真は渡辺利久男氏提供

登山中の子ガエル

 

深さ30cmほどの側溝に落ちた1cmほどの子ガエルが助けに入れてもらった板をよじ登っている。

 

こんにちは!かたつむりさん

 

登山者の皆様へ

「上と下のため池から上陸して、今年も登ります。皆様に見守っていただけると安心です。よろしくお願いします。子ガエル一同」

 

 

 

道中には多くの困難が待ち受けています。

山中の車道を通るクルマに多くのカエルが轢かれ、側溝に一度落ちたら這い上がるのは大変で、またアリに襲われ、カエルが主食のヤマカガシ(毒蛇)の襲来。

孵化後2ヶ月で子ガエルは多くの動物の餌になり1/4に減少。

 

これらの困難を乗り越え山頂にたどり着くのは数百匹程度だといわれています。

 

5月17日ここまで到達 

「ヒキガエルの子ガエルが上と下の池から上陸して、宝満山の頂を目指して登山道を登っています」

 

身体も大きくなり色も親と同じ茶色に変わってきています。

 

登山道

 

一の鳥居

 

「ヒキガエルの子ガエルが5月9日から13日に麓のため池から宝満山の頂を目指して登山道を登っています」

 

百段がんぎ

右の男性は11:30頃で既に今日3回目の登山で、左の女性も2回目か3回目。

 

 

「わずか1cmくらいの小さな子ガエルの大群が登山道を登っています。足元に子ガエルがいたら踏みつけないように、ご注意くださるようお願いいたします。1ケ月かけて山頂まで登ります」

子ガエルは1日最大150m進む。

 

子ガエルの周りをアリがチョロチョロしているので子ガエルの大きさが1cmくらいとわかると思います。↓

 

宝満山山頂(829m)の上宮

 

霊山宝満山は信仰の山はこちら↓ 

 

子ガエルは登頂後、山中に入り大人になるまで暮らし、産卵時期になると冬眠を一時中断して池にもどってきて産卵し産卵が終わったらまた帰って冬眠します。

●子ガエルは生後1年の間に97%は乾燥で死亡。

●ヒキガエルはオスで2年以上、メスで3年以上で成熟し繁殖行動をする。

1月23日 ヒキカエルのお願い

「私どもはこの時期、産卵のため池へ下ります。林道での運転にご注意ください」

 

2024年1月18日親ヒキガエルが池に向かって下山中

 

ヒキガエルの体調は8~18cm

下がメス、上がオス

オスは他のオスにメスを奪われないように締め付けが強くメスは絞殺されることもある。

メス1匹、オス3~4匹の割合。

 

なぜ子カエルが登山するのか

①「こういうケースは他で聞いたことがない。詳しい理由はわかりませんが、登山者の靴底に付いたカエルの匂いが『匂いの道』となってカエルの道標になっているのではないでしょうか」子ガエル研究の第一人者 佐賀大 田中明名誉教授

②私の珍説は霊山宝満山は昔から信仰の山といわれ、山頂には宝満宮があるので誕生のお礼と家内安全、子孫繁栄の願いを込めてお参りに行くものと思います。

 

22.11.27 NHK「ダーウィンが来た」《霊峰を登る謎のカエル 命がけの大冒険を追う》に登場したふじのくに地球環境史ミュージアム(静岡市)岡宮久規博士の以下に頂上目指す理由

・数万匹が池の周りに留まるとエサが不足するから各方面へ分散していく。

・池の周りには多数の天敵のヤマカガシが生息しているから逃げだす。

・下に下ると民家がありエサが少ないので上の方へ分散して行く。

・上の方のいろんな方向へ分散して行く中で、中には登山道を登って頂上まで行くのもいる。

・分散して行った先々(宝満山829mの頂上の先の仏頂山869mに行ったものも)で成長し親になれば、鮭が生まれた川に帰って来るように、生まれた池に帰って来てタマゴを産む。

「宝満山は今まで全くわかっていなかった子ガエルの分散の研究に適した場所である」。

 

塾長からのお願い

①最近、心無い人がオタマジャクシを掬い取ったり、子ガエルをネットで販売したりしているそうです。

生態系の維持、種の保存の観点からも是非止めてもらいたいと思います。

2020年に太宰府市民遺産に登録され、子ガエルの可愛さも相まり、「ダーウィンが来た」でも放映され一気に人気が高まったからだと思います。

親になると上の写真のように大きなヒキガエルに成長するのでこれを知っていれば捕りもしないだろうし買いもしないと思います。

市もマスコミも子ガエルだけでなく大きい親の写真も一緒に報道すれば捕獲や売買は止めるのではないでしょうか。

②クルマが通る登山道路でクルマに轢かれる子ガエルが後を絶たないということです

この登山道路は登山のためだけ(途中に私有地が一部ある)の道路だから子ガエルが登山する時期(5月半ば~6月一杯)と産卵に降りてくる時期(1月半ば)だけでも通行禁止にすればいいと思います。私有地所有者には「通行許可証」を配布。

 

 

今回登ってみて子ガエルのことを初めて知り、登山者はもちろん太宰府市民もみんなで太宰府市民遺産である子ガエルを見守り、保護活動の必要性を痛感しました。

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fukuda0917@yahoo.ne.jp

塾長より

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