ペシャワール会の報告会
2024.6.1 於福岡市
●ペシャワール会とは中村哲医師のパキスタンでの医療活動を支援する目的で結成された国際NGO(NPO)団体。
●PMS(Peace (Japan) Medical Services)とは平和医療団・日本 総院長の中村哲医師率いる現地事業体。
ペシャワール会村上優会長
「2019年に中村哲医師が凶弾に倒れて以降アフガニスタンでは2021年、イスラム主義組織タリバンが実権を掌握。ペシャワール会は一時は活動を中断しましたが、タリバン側とも協議しながら現地スタッフが医療支援や用水路の建設を続けてきました」。
「中村哲氏が2007年以降取り組んできたかんがい用水路は中村氏が亡くなった2019年には165k㎡だった耕作地は、2023年には1.4倍の238k㎡まで広がっています」。
マルワリード用水路流域、一面の小麦畑(2022年4月12日)
「会の活動エリアは水もたくさんあり、農業が復活して人々が戻って、ある意味普通の生活が行われていて、中村先生が頭で描いた平和そのものなんです」。
「近くに大きな河川がなく、水がなくて人々が困っているというところで手を打っていかなければいけない。もし成功したとしても、それを維持していくには様々な困難があると思います。地域で様々な形で人々が生活していけるような、水の供給のあり方を作り続けなければならないのです」。
ペシャワール会PMS藤田千代子支援室長
現地スタッフとやりとりしている藤田千代子さんも、2022年12月と2024年3月にアフガニスタンを訪問。「中村さんの遺した思いがしっかりと根付いていると実感しました」。
「現場の責任者もただ口だけで指示するのではなくて、現場に行って話を聞いていることは『中村先生と長いこと一緒に働いただけあるな』と思って、仕事の中に中村先生を感じました」。
「かってはタリバンが活動していたエリアで、建設が進められている新たな用水路も9月に完成予定です。
中村哲さんが凶弾に倒れてから4年、現地では中村さんの「遺志」がしっかりと受け継がれていました」。
4回シリーズの1回目はこちら
現在のアフガニスタンの状況
2021年8月アフガニスタンからアメリカ軍が撤退しイスラム主義組織タリバン暫定政権樹立
長引く干ばつ、食料価格の高騰、失業により2,500万人のアフガニスタン人が貧困に陥り、現在人口の半分以上が日常生活で人道支援に依存。 他国からの開発援助も停止。 収入のおよそ4分の3は食費に費やされ、600万人が食料不足、100万人の子どもが深刻な栄養不良に直面。
女性に対しては
イスラム主義組織タリバン暫定政権が国際社会から承認を得られないのは、極端なイスラム法解釈に基づく女性の抑圧が大きな理由。
2021年9月女性を中等教育学校から排除。
2024年7月には病院や学校などで働く女性公務員の月給を5000アフガニ(約1万円)に削減。
女性を就労の場から締め出すための新たな措置とみられ、女性は公園やスポーツジムへの立ち入りも禁じられています。
「男性の付き添いなしにどこにも行くことができない」一般女性の声。
厳格な服務規程
①女性は顔や身体を覆うブルカ、頭髪などを覆うヒジャブの着用
②男性はターバンの着用、ネクタイは明らかにキリスト教の十字架を象徴しているシンボルは排除。
東京新聞より
2019年12月5日
中村哲さん 平和への志砕かれ「あまりに突然…」妻悲痛
▶fukuda0917@yahoo.ne.jp
塾長より
いつも記事をお読みいただきありがとうございます。
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アフガニスタンのその後を知る事が出来ました。中村医師の遺志が受け継がれていることに感動しました。凄い事と思います。本当に良かったですね。
梅林がるさんコメントありがとうございます。その後がとても気になっていたので
調べてみて安心しました。中村医師が堰の築造・修理の技術だけでなく今後は我々で築いていこうという遺志を残してくれたことが大きいと思いました。
まだまだ生きていて欲しかった方です。
多くの人達を救い、生活の基盤と希望を与え、凄い方ですね。
あけみさんコメントありがとうございます。本人にとってはまだまだこれからだったでしょうけど、残った人たちが立派に遺志を引き継いでいるので満足しているこのではないでしょうか。
中村医師の思いが引き継がれていることに安堵しました。
しかし、アフガン(タリバン)の現状は、女性への厳しい現実があり、決して良好とはいえません。
日本もそうですが、もっと女性の地位向上に力を注いで欲しいところです。
Hiroyukiさんコメントありがとうございます。女性の地位アフガニスタンに限らず昔から女性の地位はなぜ低かったのでしょうかね。いつも疑問に思います。
タリバンに対してです。お疲れ様です。アフガニスタンでは、中村さんの意思を継いで、特別な知識や技術を持たない住民でも用水路の補修や維持管理ができるよう国連食糧農業機関などが今月から実地研修を開催して現地の人だけでも持続できる農業生産の向上を後押しするそうですね。これぞ中村さんが目指した現地の自立につながることでしょうね。惜しい人を亡くして残念ですね。有り難うございました。
天チュウさんコメントありがとうございます。国連食糧農業機関が中村医師の功績を認め全面的に後押しするとは中村医師が目指していた「現地の自立」につながり彼に対する最高の餞(はなむけ)ですね。亡くなった人にはノーベル賞はないのですかね。
そうですか、ローソク一本の光を絶やさずに繋いでいく思いです、最澄大師の言葉に「一隅を照らす」とありますが、そういう思いです、中村医師を殺害、そんな理不尽なことは二度とあってはなりません。
福寿草さんコメントありがとうございます。筑後川の山田堰の畔の公園の中村医師の祈念碑に「一隅を照らす」と書いてありますけど、一隅どころか国連食糧農業機関がアフガンで灌漑用水推進の研修を始めるということは世界でも推進するということでしょうから「一隅」はアフガンだけでなく世界を照らすことになりそうですね。
今年の5月にペシャワール会の仲間さんの講演会があり、拝聴に行く予定でしたが、コロナのために行くことができませんでした。
わかりやすくまとめていただきありがとうございました!
からつくんちさんコメントありがとうございます。講演会行けなかったのですね。タイミングよく丁度よかったですね。
久しぶりに中村医師のその後、用水路流域の一面に広がる小麦畑を見ると、ホットします。
タップリの水を子供達が楽しんでいる写真など、平和な日々が感じられますが、一方では、女性蔑視のニュースなど、とても、理解できませんねー。
それにしても、中村医師の意志を継いで活動していらっしゃる方々には感謝です。
昭和の乙女さんコメントありがとうございます。中村医師の遺志がしつかり受け継がれていてホッとしています。
一方アフガニスタンに限らず昔から世界的にもどの地域でも女性蔑視、なぜなのか理解に苦しみます。
中村医師が弾丸に倒れてもう4年経つのですね。
その後どうなっているのか〜。
中村医師の遺志がしっかり受け継がれていて嬉しく思いました🙏
sun sunさんコメントありがとうございます。
今度は国連食糧農業機関がアフガンで灌漑用水推進の研修を始めるということだそうでこれは世界でも推進するということでしょから中村医師に対するなによりの餞ですね。
アフガニスタンの現状、私も気になってました。報告会があったんですね。
中村医師の意志が受け継がれて更に用水路、耕地が広がっていることは喜ばしいことです。
力の制圧で発展が妨げることはあってはなりません。また、積み上げた努力の賜物を力で奪うこともなりません。まして、人の自由に対しても決してならないはずです。
制圧されている女性が早く自由に解放されることを願うばかりです。
本来宗教は人々を救うものです。
イスラム原理主義の為政者たち何を考えているのか女性を苦しめ結果世界から支援が得られず宗教で人民を苦しめています。
お疲れ様です🍵
何も無いところから始めるだけでもパワーがいるのに、、、
諦めず熱意を持った人ってすごいですね
外国の大勢の人たちをこれだけ動かすことができたのですから。
まだまだ、いてほしかったですね
まいまいさんコメントありがとうございます。あのちっちゃくて灌漑事業など初経験の中村医師が大きな男たちを指導していくわけですから恐れ入りますね。まだまだ生きていてほしかったですね。