こんにちは!太宰府魅力発見塾塾長の福田です。
今回は大宰府天満宮の立札「飛梅」の書体についてまとめてみました。
鳥点の筆法
①太宰府天満宮 立札「飛梅」
太宰府天満宮 本殿右横にある梅の木「飛梅」の立札「この“飛”の字の中に鳥は何羽いるでしょうか?」
これは菅原道真公が編み出した「鳥点(ちょうてん)の筆法」を模して書かれたもので、この筆法には鳥になって都へ帰りたいという道真公の思いが込められているそうです。
・書:古賀井卿(1891年~1982年享年91才)太宰府出身の書家
・彫刻:中村弘峰(1986年福岡県生まれ当年36才)博多人形師
よ~く見ると「飛」の中には鳥は4羽書かれています。
②道真公の五言絶句の句碑
場所:御自作天満宮(筑紫野市天拝山麓)
右側が紫藤の滝
道真公の五言絶句の句碑
説明文
説明
「離家三四月 落涙百千行
萬事皆如夢 時々仰彼蒼」 菅家後集 道真之詩
「901年太宰府へ流された菅原道真公が2年後59才の生涯を閉じるまで38首が収められている『菅家後集』の冒頭の一首」
意味
「故郷を離れて数か月が経った。余りに変わり果てた我が身を考えるとこれまでのことが全て夢のようだ。今は時々天を仰いで運命を祈るだけだ」
自詠 菅公 五言絶句
「この詩二十文字の書体の中に烏(カラス)が十八羽描かれています。何故でしょうか。それは菅公が烏になって早く京に帰りたい心の発露によるものと思考されています。後にこの書体を『烏点(うてん)文字』いうようになりました」筑紫野市観光協会
ご覧ください。18羽見付かりましたか?
③五言絶句双幅
場所:太宰府天満宮宝物殿
菅原道真公
五言絶句
「離家三四月 落涙百千行」
「萬事皆如夢 時々仰彼蒼」
五言絶句双幅(複製)
説明
「鳥(トリ)のように空を飛んで都へ帰りたいという道真公の心を表してか鳥の姿に似た字体(鳥点の筆法)で書かれている」
Ⅰ.以上が「五言絶句」の説明で、これからは何羽いるかについて。
元の五言絶句はこれですね。
①太宰府天満宮の見解は11羽(下記の資料赤印)
②貝原益軒は13羽(下の資料の赤のボールペンで数字が薄く見える)・・天満宮職員談
・貝原益軒:(1630年~1714年享年84才)福岡藩士、養生訓や筑前国続風土記編纂
③御自作天満宮境内の五言絶句の句碑の説明には18羽
④下の五言絶句の黄色のマーカーは20羽・・資料は天満宮よりいただく
(まとめ)
以上のように見る人により羽数は異なります。
自分にはここに鳥がいると思えば鳥で、正解も誤りもないと思います。
書いた道真公本人のみぞ知る!
羽数を探すことにより五言絶句に興味を持ってほしいというのが道真公の願いではないでしょうか。
Ⅱ.「鳥点の筆法」と「烏点文字」について
・「鳥点(ちょうてん)の筆法」は太宰府天満宮宝物殿の説明文に記載
鳥(トリ)のように空を飛んで都へ帰りたい
・「烏点(うてん)文字」は自詠菅公五言絶句説明文に記載
烏(からす)になって早く京に帰りたい
後の世で鳥に見えた人が「鳥点(ちょうてん)の筆法」、また烏に見えた人が「烏点(うてん)文字」と名付けたのではないかと思われます。
Ⅲ.そもそも道真公が編み出した筆法なのか
道真公が編み出した筆法といわれている一方、中国から伝わってきた筆法ともいわれています。
道真公のおひざ元にいる太宰府市民としては道真公が編み出した筆法だと思います。以上
以下に古賀井卿の説明と彼が書いた天満宮参道の店の看板などがあります。
今回このブログ作成のきっかけは友だちからNHK教育テレビで「飛梅の書体は鳥点の筆法」が放送されましたとの連絡でした。
構想がなかなかまとまらず苦慮したのはそれぞれの項目に正解がないものをどうまとめるかでした。
みなさんのご協力を得ながらなんとかまとめることが出来ました。振り返るとその苦慮しているときが一番楽しいひと時だったような気がします。
改めてこのブログはみなさんのお陰で成り立っているとひしひしと感じました。
みなさんありがとうございました。
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▶fukuda0917@yahoo.ne.jp
塾長より
いつも記事をお読みいただきありがとうございます。
もしよろしければ記事の一番下にある「コメントを残す」より
コメントを書いていただけますと、記事を書く励みになります。
これからも太宰府の魅力をお伝えしていきますので
応援よろしくお願いします。
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天満宮を訪れた時、立札を見て何か隠された物語があるのではと思っていました。塾長さんの記事でなるほど。太宰府を訪れたいなあ。
ありがとうございました!
からつくんちさんコメントありがとうございました。私も変わった字だなあと思ってましたけど調べてみて意外や意外新たな太宰府の魅力が発見できました。
初耳、飛梅の飛に(鳥)が書かれていたんですね。
ビックリ(びっくり)有り難うございます。
3羽ですか、私は4羽に見えます(はてな)
ミッチーさんコメントありがとうございます。3羽といわれていまけど自分に見えた数でいいと思います。
太宰府天満宮の奥の深さに驚くと畏敬の念でいっぱいです。
梅林ガルさんコメントありがとうございます。太宰府でいろんなことを調べていくうちに何かにつなっがった時に歴史のおもしろさを感じます。
鳥の数は考えたことはなかったですが、たぶん6羽?書体が独特ですね。
栗ちゃんコメントありがとうとうございます。正解はないので自分に見えた数でいいいと思います。
カラス3羽は当たりました。昔の人は自分の心を直接言わないで何かに例える事多いですね。風流で趣がある様にも感じますが直接は言えない時代の背景もあったのでしょうね。でも、道真に夫人が何人も居たのにも子孫を残したいと思う時代背景を感じます。😊
みつ子さんコメントありがとうございます。句で気持ちを伝え返歌で気持ちを読むとは相当な教養がないとできませんね。
NHKの放送を見た人達が、このブログを見てくだされば、もう納得‼️
問いかけをもって興味を持たせる方法は、ナイスですね♪
赤点から、黄色のマーカーはとてもわかりやすいです。
れい子さんお誉めいただきありがとうございます。みんなみなさんのアドバイスのお陰で感謝しています。
塾長に感服いたしました🙇♀️
一つの事柄を広く深く掘り下げ、あらゆるところから足と耳と頭を使って、ご自分で納得いくまでお調べになり、このブログ感嘆至極です。
それにしても面白い事がわかりましたね。
初めて聞く「鳥点の筆法」面白いです!
また、太宰府天満宮へ行く時の楽しみができました。道真公の落胆悲しみが伝わる句ばかり、心の持ちどころもなかったんでしょう。書に心を写されたことで、悲しみが少しは安らげたでしょうか?
でも、今の太宰府は道真公のおかげで今の様に発展して行ったのでしょうから、感謝しかありません。🙏
梅小町さんコメントありがとうございます。今回ほど情報の大切さを感じたことはありません。友だちからテレビで太宰府天満宮の立札飛梅の書体は「鳥点の筆法」と放送されたとの知らせで早速調べてみたら新たな太宰府の魅力の発見になりました。とても感謝しています。言われるように道真公の怨念は天満宮の発展によって晴らしているのかもしれませんね。
太宰府天満宮の立札「飛梅」の中に鳥が書かれているとは、まったく気がつきませんでした。鳥になって都に帰りたいとのことですがその鳥かどうして烏だったのでしょうか?ハトでは駄目だったんですかね?スイマセン。
マンデーかやさんコメントありがとうございます。「鳥点の筆法」や「烏点の文字」と名付けたのは後の世の人で、名付けた人が鳥や烏に見えたからだと思います。ほかの人が鳩に見えれば「鳩点の文字」としたのではないかと思います。
大労作をものにされたという感じですね。
太宰府天満宮は受験の神様と梅の木と梅ヶ枝餅だけじゃないんだよと知らしめて下さいました。
Mikikoさんコメントありがとうございます。
太宰府天満宮は受験の神様と梅と梅ヶ枝餅に新たな魅力が発見できとてもありがたい情報の提供でした。
アラアラ?つい最近何かの番組で、鳥点の筆法の説明を見てそうなんだ?〜と漠然と納得していたのですが、こんなに深く教えて頂き今度こそ、記憶に残ったと思います。
私は18羽とおもいますが?
昭和の乙女さんコメントありがとうございます。よく18羽見つけられましたね!すばらしいです。御自作天満宮横の道真公の五言絶句の句碑にも18羽と書いてあります。
最初見た時全く理解し難い文字でした。文字に込めた心情が表現されているとは!!
すんなりと理解出来るように纏められているのに敬服します。
インスタ映えさんお誉めに預かり恐縮しています。
これからも太宰府の魅力を発見し、お伝えしていきたいと思っています。引き続きの応援よろしくお願いします。
文字の中に鳥が描かれていること・・
全く知りませんでしたし、気が付きませんでした。改めて見てきたいと思います。
こうきさんコメントありがとうございます。今回私も初めて知りました。新たな太宰府の魅力が発見出来とても感謝しています。
そうだったのですね、全く気づかずにみてました。
道真公の無念さがどれほどのものか伝わってくるようです、さぞ悔しい思いだったでしょう。
文字に思いを託すというところが日本人らしい奥ゆかしさを感じます。
また鳥点文字について良く深掘りされていて驚くと同時に塾長の素晴らしい探求心と貴重な事を知ることが出来ました。
ンダモシタンさんコメントありがとうございます。
このブログの掲載は「NHKの放送見られましたか」の一本のメ−ルから始まりました。資料は集まったもののどうまとめるかにとても苦慮しました。今から思えば楽しいひと時でした。
太宰府にはいろいろ仕掛けがありますね、鳥のような鳥ではないような、見る人ごとに解釈出来そうですね、よく似たケースで和歌山の熊野三社の守り札が確か鳥点文字で書かれてます、道に迷った神武天皇を先導したのが八咫烏(やたがらす、3本足)です、道真公と思いは同じかも知れません。
福寿草さんコメントありがとうございます。鳥点の筆法、鳥の数は見る人により変わって見えると思います。本当の数は道真公本人のみぞ知るでしょうね。